早稲田(理工)の数学 3年分

早稲田の理工学部の数学(最近3年分)を解いた雑感です.標準的な国立大学の2次試験と同じような出題です.むかしはもっと難しい問題も出題されていましたが,最近3年間は難関国立大学と比べるとずっと易しいです.国立大学が本命で早稲田も受けるという人は,早稲田の過去問は3年分を解けば十分だと思います.

2021年度

第1問 やや易しい
座標平面上の2直線のなす角(鈍角の方)をtanの加法定理で処理するというよくあるような問題で,受験生には解きやすい問題だと思います.(3)で分数関数の最小値を調べるところは微分を使います.

第2問 やや易しい
多項式の割り算に関する問題で,(1)は簡単です.(2)(3)はパズルっぽい問題ですが,整数の合同式と同じような扱いができることが分かれば簡単に解決します.(3)は帰納法を使っても使わなくてもできます.

第3問 やや易しい
複素平面上の軌跡の問題です.(1)(2)は簡単です.(3)が本題で,なんとなく答は分かると思いますが,きちんと説明を書くのは少し難しいです.一般の写像では図形の「内部」が「内部」に移るとは限らないので,「周」を調べるだけでは不十分だからです.とはいえ,結果が合っていれば大部分の点数が入るのかもしれません.(4)は瞬殺です.

第4問 やや易しい
確率の問題です.大枠としては簡単ですが,(2)(3)で細かい場合分けがあるところは見落としやすいです.

第5問 標準
ベクトルと見せかけて初等幾何の問題です.難しくはないですが,立体図形を把握するところはていねいに考えないといけません.(2)は瞬殺です.

全体として
数学IIIの微積分が第1問(3)しかありません.作業量が多い問題が1つもなく,分かってしまえば短時間で解決する問題ばかりです.全体として易し目で,時間にも余裕があります.70%くらいが合格の目安かと思います.

2020年度

出題ミスのうわさは知っていたので,ずっと解く気にならなかったのですが,今日初めて解きました.

第1問 やや難しい
複素平面の問題で,(1)が意外に解きにくいです.うまい方針がなかなか思いつかず,時間がかかりました.gammaを消去してbeta/alphaを求めるとomega(1の虚数立方根)になります.(2)(3)はomegaの性質を使えば簡単にできます.(1)は幾何的に外心と重心の一致する三角形は正三角形であることを使う手もあるようです.

第2問 標準
完答しやすい問題です.(3)はベクトルを使うと楽です.(4)は微分するだけですが,文字定数で場合分けがあることに注意が必要です.

第3問 標準
類題の経験があると簡単です.(2)は初期条件がないと問題が成立しません.「t=0のときh=0である」という条件を付け加えればふつうに解けます.

第4問 ???
ちょっと題意が分かりにくいですが,(1)(2)はふつうに解けます.確率が無限級数になります.(3)はよく分からなかったので飛ばしました.「kを1からnまでの範囲で固定して,nを無限大にする極限」なんて存在するんでしょうか?たとえばk=nのときとかどうするんでしょう?

第5問 ???
大学が出題ミスと認めた問題です.(1)は点(1,1)における接線に注意して図を描きます(曲線の共有点の取り方を調べるため).(2)は領域が無限に広がるので面積をもちません.(3)も問題が成立しません.

全体として
変な問題が多くてなんとも言えません.全部数学IIIの問題ですね.

2019年度

当時作った解答と講評があるので,それを貼っておきます.

解答

講評

対策講座

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