問題を解いた感想です.
[I](1)ジューコフスキー変換というやつで京大などに類題がありますが,知らなくても難しくないでしょう.zを極形式で表すとwは楕円のパラメータ表示の形になります.
(2)数値が汚いけれどふつうに計算するだけです.答はきれいになるように調整されています.
(3)楕円と円の囲む部分の面積.楕円は円に変換して,弓形の面積を求めます.
*経験しておきたいタイプの問題で難易度もちょうどよいので,授業で使いたい.
[II]最大性のきちんとした証明は多くの受験生が書けないだろうし採点も大変だと思うので,初めから「接線と両軸で囲む部分の面積の最大値を求めよ」という問題にしてもよいのではないかと思いました.そうすると微分して増減を調べるだけの標準的な(入試問題としては易しい)問題です.
[III]完全順列.有名問題そのまんまというのはどうなんでしょうか.知っている人が圧倒的に有利になってしまいます.知らないと(2)から結構難しいです.
[IV]早稲田理工は立体図形の問題がよく出ますね(同じ人が作っているのかも).
(1)設定が複雑ですが,2つの球が外接する条件は中心間距離が半径の和であることを使うと,四面体の6本の辺が全てrで表せます.四面体に着目することが分かれば,後は典型的なベクトルの問題です.
(2)6本の辺の長さが分かっている四面体の体積を求める問題.ベクトルで計算するのは大変そうなので,座標系を設定して計算するのがよさそうです.1つの面が直角三角形なのできれいに座標設定できます.
[V]どの文字を使って式を作ればよいのか分かりにくく,色々な計算法がありそうです.
(1)解と係数の関係を使えという誘導でしょう.(2)の答が出た後は誘導に従っていけば簡単でした.
全体として受験生の立場から見ると解きにくそうな問題が多く,半分くらいの得点でも勝負になるかもしれません.
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