授業案内

授業のコンセプト

「基礎から応用まで,全てを学べる」

私が予備校で働いていたとき常に気になっていたのは,前提となる知識がないせいで授業についてこれない子に対応するのが難しい,ということです.イメージとして,レベル10の問題を解説するときに,レベル1から9までの知識が必要になるとしても,それを授業内で全て解説することは時間的に不可能である場合が多く,さらにその解説を必要としない子もいます.このような問題には,大人数が一か所に集まって授業を受けるという形式では,対応しにくいです.

ついでにもう一つ気になっていたこととして,浪人生の授業では一つの教科を何人もの講師で分担し(数学の場合は7人くらい),単元ごとに並行して授業が進められることです.たとえば,微分の1回目の次に積分の1回目の授業があって,その翌週に微分の2回目の授業がある,といった感じです.このようなやり方は2周目以降の「ランダムな演習」にはよいですが,初学者には絶望的に不向きです.そもそも浪人生のカリキュラムは初学者向けに作られていないのですが,実際にはランダムな演習に入る前に「数学の知識を体系的に整理する」すなわち「基礎を固める」ところから始めないといけない子がたくさんいました.

話を戻しましょう.私の映像授業およびテキストでは,基礎の部分を細かく項目に分けて網羅的に全て解説してあります.それを自由に使えるので,初学の単元は基礎から全て受講する,既習の単元は必要なところだけ選んで受講する,といった感じに自分の状況に合わせて使い分けられるようになっています.

また,私のテキストだけで全ての内容を扱っているので,他に教科書や参考書を使う必要がありません.特に基礎を学んでいるときは,複数の本を併用するのはやめたほうがいいです.本によって説明の仕方が異なるため,頭の中がバラバラで断片的な知識の寄せ集めになってしまうからです.数学は他の教科と比べても特に体系的で,前に出てきた定理を使って次の定理が証明されるといったストーリーに美しさがあります.それを十分に堪能するには,これと決めた一冊の本に専念することが肝要です.

授業の構成と受講方法

  • 最下段に位置するのが Fundamental Lectures (FL) です.各単元の基礎(定義・定理・公式など)を解説しています.細かく項目に分けて解説動画を作ってあり,さらにテキストにも完全な解説を載せてあります.
  • その上に位置するのが「標準演習」です.各単元の典型問題を解説しています.FLから接続するように作ってあるので,FLの内容を総復習できると同時に,分からないことがあればFLに戻ることができます.標準演習で扱う問題は,各単元で「最初に出会う問題」として最適化してあり,シンプルでテーマの分かりやすいものにしてあります(入試問題そのままというのはほとんどありません).最初から変にひねった問題を扱うと,その単元で学ぶべきことがぼやけてしまうからです.
  • 各単元の一周目の学習(標準演習まで)が終わったら,次にランダムな演習を行うことも重要です.たとえば,平均値の定理を学んでいるときに出てくる問題は,平均値の定理を使うに決まっています.しかし最終的にはランダムに出現する問題に対して,どの解法を使うのか選択できるようにならなければいけません.目安として,夏休みの終わりまでに一周目の学習を終えて,9月頃からランダムな演習に入るとよいでしょう.やり方としては,問題集を使う,過去問を解く,など何でもよいです.テスト演習の講座もありますし,実力テストも実施する予定なので,うまく利用してください.
    一つ注意すべきは,一周目の学習を飛ばして,最初からランダムな演習ばかりしている受験生が多いということです(数学ができない原因が演習量不足にあると思っている人は,多く場合に間違っています.厳しい言い方ですが,演習量をこなす前にそもそも基礎的な知識が身についていないのです).一周目の学習が終わるまでは,私の教材だけに専念することを強く推奨します.余計な問題集には手を出さない方がいいです.一年間,私の教材と過去問しか使わないで難関大に合格する子も少なくありません.

主要な授業

主要なものは以下の3つです.

  • 標準*数学III
  • 標準*理文共通数学
  • 数学*上級演習

標準の2つがメインの講座で,上級はその続編という位置づけになっています.標準レベルの大学を志望する人は上の2つ,難関大学を志望する人は3つ全部を受講するのがおすすめです.高3生で時間のない人は一番上だけを受講するのも手です.上級だけ受講することはできますが,一部の単元しか扱っていないので注意してください.

標準*数学III

数学IIIの全体を,完全に初学の状態から学べるようになっています.入試の標準レベルまでを短期間で効率よく修得したいという人におすすめです.また,ひと通り数学IIIを学び終えた人が,全体を復習・整理するという使い方もできます(実際にはこの使い方をする人が多いです).
目安として,筑波大・千葉大などの標準レベルの国立大学および理科大・MARCHなどの私立大学は,この講座だけで十分な対策ができます.一方,難関大学を志望する人にとっても,入試問題を解くための土台として必須の内容であり,決して易しすぎることはありません.
詳しいカリキュラムはこちら

標準*理文共通数学

数学IAIIBの全体を扱っています(ただし「データの分析」だけは共通テスト対策の授業で扱っています).「数列」や「ベクトル」などの主要な単元はもちろん,苦手な人が多い「初等幾何」,きちんと習う機会の少ない「集合と論理」なども本格的に学ぶことができます.全体としてボリュームが大きいので,学校が忙しい高3生には厳しいかもしれません.
レベルとしては,FLはかなり基本的なところから解説していますが,全体としては難関大志望者に合わせて作ってあり,結構難しい問題も入っています.
詳しいカリキュラムはこちら

数学*上級演習

整数,確率,軌跡,微積分の4つからなります.最初の3つは数学IAIIBで,微積分は数学IIIです.東大などの難関大を目指す人が対象の授業です(文系の人は微積分を除いて受講してください).
「標準*数学III」および「標準*理文共通数学」が終わった後で受講するのがおすすめです(たとえば夏期講習として受講するのもよいと思います).

  • 整数
    整数論の古典的な有名問題のうち「難関大志望者ならこのくらいは知っておいてほしい」という問題をひと通り全て扱っています.FLと合わせて,整数の単元の重要事項の全てを学ぶことができます.
  • 確率
    FLと合わせて,確率の単元の重要事項の全てを学ぶことができます.典型問題・有名問題・入試問題という構成になっていますが,典型問題がメインで残りの2つはおまけという位置づけです.
  • 軌跡
    図形と方程式,初等幾何,複素平面,2次曲線などいろいろな単元で現れる軌跡の問題の解法を整理する講座です.この単元は100個の問題があれば100個の解法があると思っている人が多いですが,統一的な観点を導入して軌跡の問題が実は6個くらいの代表的なパターンに分類できることを学んでいきます.
  • 微積分
    この授業は上の3つとはコンセプトが異なり,単元の全体を網羅するような授業ではありません.微積分の発展的な話題として,大学の微積分で扱われる内容のうち,高校生でも手が届き,かつ入試問題としてよく使われるものをいくつか取り上げています.「標準*数学III」が終わった後で,その続編として取り組むとちょうどよいでしょう.
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