今年の科学大(理工系)の数学を解きました.去年易しかった反動で難しくなると思っていましたが,予想よりもさらに難しかったです.
1.整数:難しい
(1)は簡単です.(2)も結果はすぐに分かりますが,一意性の証明が難しいです.
「3乗根2を根にもつ有理数係数の2次式が存在しない」ことの証明と似たような感じになって,2012の京大に類題があります.特殊な式変形が必要で,初見だと思いつきにくいです.
受験生は(1)の論証でも結構差が付いているかもしれません.
2.二項係数と場合の数:標準
(1)(2)は有名問題で簡単です.(3)は作業が少し大変ですがなんとかなるでしょう.(3)の類題はたくさんあり,1996東大後期の問題を授業でよく使っています.
3.座標平面上の図形:標準
図形的な背景のありそうな問題で,座標でゴリゴリ計算するように誘導されています.がんばって計算するだけで,なんとかなるでしょう.
4.複素平面:難しい
(1)は直線に関する対称点を求める計算で,私は公式として覚えているのでそれを使いました.今回は設定が特殊なので,回転移動・平行移動・実軸対称移動の組合せとしてとらえる方法の方が簡単なのかもしれません(予備校の解答速報はそのように解いているものが多かった).
(2)は見たことのない形の漸化式を解く問題で,かなり苦戦しました.z_(n+2)をz_nで表すと少し簡単な式ができて,階差型を作るときに使う手法で両辺を適当に割ると等差型に帰着します.
5.微積分:難しい
初手から何をすればよいのか全く分からず,一時間くらい試行錯誤しても全然ダメでした.いったんあきらめて頭の中で色々と考え続けてようやく思いついたのは2日後です(とほほ).正弦を半角公式で変形し,その部分を微分の形にして部分積分を用いると極限の計算ができます.気づいてしまえばそれまでなのですが,思い付きの要素が強すぎるように感じます(自分の頭が固くなっているだけかも).極限を処理したあとは,よくある定積分の漸化式を作って最初の数項を計算すれば結果はすぐに分かります.細かい評価などの説明もそれほど大変ではないと思います.
【全体として】受験生としては4番(2)と5番を除く3題半での勝負になると思います.特に5番はほとんどの人が0点ではないでしょうか.そうすると実質的に微積分の問題がないので,1題くらい微積分の典型問題があってほしかったです.発想力重視の問題があってもよいですが,受験生のことを考えると,日ごろの努力の成果がでやすい問題もバランスよく入れてほしいと思います.
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