夏の講演会

2023/8/20(日)に実施する講演会でお話しする内容をまとめておきます.

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自己紹介

数学講師のつっきーです.本名は築舘一英(つきだてかずてる)です.以前は大手の予備校(駿台と東進)で15年くらい働いていました.いまは引退してのんびり過ごしています.

映像授業の作成法

今日は映像授業についてお話しします.ただし,前提として「この方法がよいという主張」ではなく「自分はこの方法を使っているがどうでしょうかという提案」として聞いていただきたいと思います.したがって改善案などがあればぜひご意見ください.

私が映像授業を作り始めたのは4年前くらい(コロナになるちょっと前)からで,「予備校で教えていた受験生に彼らが受験する大学の過去問の解説動画を作ってあげたい」と思ったことがきっかけです.東大とか東工大の過去問の解説動画を作ってYouTubeにアップして,自由に使ってもらいました.それから映像授業を作るのが楽しくなってたくさんの動画を作ってきました.その中でいろいろと試行錯誤を重ねて,今はこの方法に落ち着いているというやり方をご紹介します.

  • 収録
    基本的にふだんの授業(LIVEの授業)をそのまま録画するだけです.映像授業でもふだんの授業とやり方を変えないようにしています.作り始めた当初は,少しでも言い間違えたら撮り直し,「あー」「えー」などのフィラーをできるだけ使わないように気を付けていましたが,自分の場合はうまくいきませんでした.カメラ目線も特に気にしないようにしています.これがよいかどうかは不明ですが,あまり気にすると疲れてしまうので,自分の場合は気楽に楽しく授業できることの方を優先しています.
    別の方法として,iPadの画面録画があり,黒板の代わりにノートアプリを使います.この方法だと自宅で手軽に収録ができます.顔を映したい場合は別撮りする必要がありますが,用途によってはなくても問題ないと思っています.
    いずれの場合も音声だけはボイスレコーダーを使って別撮りします(これは必須です).
  • 編集
    AdobeのPremiere Proを使っています.月額2700円くらいです.PCも動画編集に適したそこそこスペックの高いものを使っています(mouseの20万円くらいのもの).
    編集でやるのは,余分なシーンをカットするだけです.黒板を消すところとか,途中の休憩とか,咳払いも消しています.テロップは訂正の場合だけ入れています.(細かい音質・画質の調整も行っています.)
    また,収録した動画は編集しながら全て見直すようにしています.ミスがないかどうかのチェックもありますが,黒板は見やすいかどうか,声は聞き取りやすいかどうかなど,毎回改善点を洗い出すようにすると,技術的にスキルアップしやすいと思います.(個人で動画作成する場合の大きなメリットだと思います.)
  • 視聴環境
    動画はYouTubeにアップする場合が多いです.機能が充実していること(公開設定や再生速度の調整など)に加えて無料で使えるのが素晴らしいですね.欠点は動画の販売に使えない(使いにくい?)ことです.動画を販売するのは個人のレベルだと結構面倒で費用もかかります(自分の場合はvimeo年間約6万円とedulio月約7000円を使っています).
    動画の使用方法などはこのサイトにまとめてあります.サイトはwordpressで作っていて,サーバー利用料が年間1万円,初期費用はほとんどかからなかったと思います.サイトの作成は一日でできました.自分のサイトをもっているといろいろと便利です.

映像授業の活用法

  • 宣伝(自己紹介)
    体験授業のような位置付けとして,自分の授業を知ってもらうために映像授業をYouTubeで公開しておくと,見てくれる生徒がいるかもしれません.
  • 予習(反転授業)
    講義動画を作ってそれを事前に視聴してもらい,それに対応する演習を実際の授業の中で行うという方法があります(いわゆる反転授業).何回か実践経験がありますが,基礎として解説することが多くて授業時間が足りないような場合には有効な方法だと思います.
  • 欠席者・中途入塾者へのフォロー
    ふだんの授業を録画していつでも視聴できるようにしておくことで,欠席者などへのフォローができます.
  • 補足
    授業で解説が終わらなかったところを,iPadの画面録画で簡単な動画を作って提供する場合があります.補足プリントと同じような位置付けです.
  • 社会貢献
    まともな授業が受けられなくて困っている子どもたちは世の中にたくさんいて,その子たちに少しでも役立ててもらえるような映像授業を作りたい,と思っています.また,教育関係の方に映像授業を批判してもらったり参考にしてもらったりして,数学教育が全体としてよい方向に進んでいくといいなという思いがあります.

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